NHK大河ドラマ③戦国時代?幕末?大河ドラマでは、どの『時代』が視聴率とれる?

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社長
社長

大河ドラマ『麒麟がくる』面白かった!視聴率がわりと高かったね。

山さん
山さん

やっぱり戦国時代は人気ですよね。次の大河ドラマの主人公は紫式部。平安時代ですけど、視聴率とれるのかな?

しま子
しま子

というわけで、NHK大河ドラマの全59作品、一体どの時代を描いた作品が人気が高いのか、視聴率を比べてみました!

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大河ドラマの時代順に見た作品数と、視聴率グラフ

大河ドラマの1作目『花の生涯』から、2020年の『麒麟がくる』まで、全59作品を年代別に分類してみました。(※時代のカテゴリについては筆者独自の分類で、不完全なものもあります)。
まず、「どの時代背景の大河ドラマが一番作られているか」という、製作作品数を比べてみました。

大河ドラマの時代順の作品数
NHK大河ドラマで『麒麟がくる』までの59作品を、時代ごとに数を比べてみた。作品数は『安土桃山』時代の時代背景のものが一番多い。

やはり、安土桃山時代の作品数が一番多いです。信長や秀吉が人気なので、作られる数も多いのでしょう。続いて、江戸時代や幕末の大河ドラマも多く製作されています。
でも意外に、戦国時代の作品数は5と少なめです。ちなみに室町時代を時代背景に作られた大河ドラマは、なんと1作品のみ。
次に、それぞれの時代での「視聴率」を比較してみます。

大河ドラマの時代順の視聴率
NHK大河ドラマの時代順の視聴率を比べてみたグラフ。やはり安土桃山と戦国時代が人気。また、鎌倉時代の視聴率も意外に高い。

結果は、やはりというべきか、信長や秀吉が活躍する安土桃山時代、そして江戸時代が1位に。戦国時代の視聴率も負けず及ばず、高いです。
一方、意外にも幕末の時代を描いた大河ドラマの視聴率は低め。
ちなみに目立って低い室町時代の14.1%という数字は、1作品のみの視聴率なので、あまり参考にならないかもしれません。

しま子
しま子

じゃあ、それぞれの詳しいデータを、時代順に見ていくよ~!

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平安時代を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率19.7%

平安時代を舞台にした大河ドラマ

平安時代を舞台にした大河ドラマ7作品
◆『光る君へ』2024年(主人公:紫式部)
◆『風と雲と虹と』1976年(主人公:平将門) 視聴率24.0% 最高
◆『源義経』1966年(主人公:源義経) 視聴率23.5%
◆『義経』2005年(主人公:源義経) 視聴率19.4%
◆『新・平家物語』1972年(主人公:平清盛) 視聴率21.4%
◆『平清盛』2012年(主人公:平清盛) 視聴率12.0% 最低
◆『炎立つ』1993年(主人公:藤原経清・藤原清衡・藤原泰衡) 視聴率17.7%

飛鳥時代や奈良時代を舞台にした大河ドラマはゼロで、最も古いものは平安時代です。平安時代を舞台にした大河ドラマは全部で6作品で、一番最近のものは2012年に松山ケンイチが主演した『平清盛』。この作品は一部のファンで非常に人気と評価が高かったものの視聴率としてはあまり振るわず。
平安時代の大河ドラマは、ほとんどが平家と源氏の争いがらみのストーリーです。やはり、多くの人の同情を引く源義経が、主人公として人気のようですが、この時代カテゴリでの平均視聴率は20%に届かない程度です。

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鎌倉時代を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率23.6%

鎌倉時代を舞台にした大河ドラマ
(蒙古襲来絵詞:文永の役、宮内庁蔵)

鎌倉時代を舞台にした大河ドラマ3作品
◆『草燃える』1979年(主人公:源頼朝・北条政子) 視聴率26.3% 最高
◆『北条時宗』2001年(主人公:北条時宗) 視聴率18.5% 最低
◆『太平記』1991年(主人公:足利尊氏) 視聴率26.0%

鎌倉時代を舞台にした大河ドラマは3作品と、数が少ないのが特徴。主人公もバラバラで、鎌倉幕府をつくった源頼朝と、鎌倉時代中期の執権・北条時宗、そして鎌倉幕府を滅ぼす足利尊氏と、まったく立場の違う3人が主人公になっているのも興味深いところです。
時代のカテゴリの平均視聴率は23.6%と高めですが、作品が少ないのと、放映された時代も20年近く前のものが多いので、あまり参考にはならないかもしれません。

渡部篤郎の切ない演技も話題になった、北条時宗の大河ドラマ↓

室町時代を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率14.1%

室町時代を舞台にした大河ドラマ1作品
◆『花の乱』1994年(主人公:日野富子) 視聴率14.1%

室町時代を舞台とした大河ドラマは、なんと1作品のみ室町時代は人気の歴史上人物も少なく、あまり”ドラマ映え”しないかもしれません。
唯一の作品『花の乱』は、8代将軍・足利義政の正室である日野富子が主人公に。ちょっと地味な印象なのか、視聴率は14.1%とかなり苦戦しています。

戦国時代(※1)を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率23.8%

※1 このページでは戦国時代の定義として、応仁の乱が起こった1467年から、織田信長が将軍を追放した1573年までとしています。豊臣秀吉や織田信長が活躍するのは、次の「安土桃山時代」です。

戦国時代を舞台にした大河ドラマ

戦国時代を舞台にした大河ドラマ5作品
◆『天と地と』1969年(主人公:上杉謙信) 視聴率25.0%
◆『武田信玄』1988年(主人公:武田信玄) 視聴率39.2% 最高
◆『風林火山』2007年(主人公:山本勘助) 視聴率18.7%
◆『毛利元就』1997年(主人公:毛利元就) 視聴率23.4%
◆『おんな城主 直虎』2017年(主人公:井伊直虎) 視聴率12.8% 最低

ついに”本命”である、戦国時代に突入。この時代の大河ドラマは意外にも5作品と、少なめです。秀吉や信長が登場する前の時代ですが、予想通り、平均視聴率は23%台で人気を見せつけます。武田信玄や上杉謙信など、メジャーな人物がとりあげられることが多いです。

視聴率はふるわなかったが、ドラマ中の政次役の高橋一生に、全国の女性の胸が射抜かれた作品↓

安土桃山時代を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率23.9%

安土桃山時代を舞台にした大河ドラマ

安土桃山時代を舞台にした大河ドラマ13作品
◆『国盗り物語』 1973年(主人公:斎藤道三・織田信長) 視聴率22.4%
◆『信長 KING OF ZIPANGU』1992年(主人公:織田信長) 視聴率24.6%
◆『巧名が辻』 2006年(主人公:千代・山内一豊) 視聴率20.9%
◆『天地人』 2009年(主人公:直江兼続) 視聴率21.1%
◆『軍師官兵衛』 2014年(主人公:黒田官兵衛) 視聴率15.8%
◆『利家とまつ~加賀百万石物語~』2002年(主人公:前田利家・まつ) 視聴率22.1%
◆『太閤記』1965年(主人公:豊臣秀吉) 視聴率31.2%
◆『秀吉』1996年(主人公:豊臣秀吉) 視聴率30.5%
◆『おんな太閤記』1981年(主人公:ねね) 視聴率31.8%
◆『江~姫たちの戦国~』2011年(主人公:江) 視聴率17.7%
◆『黄金の日日』1978年(主人公:呂宋助左衛門 視聴率25.9%
◆『独眼竜政宗』1987年(主人公:伊達政宗) 視聴率39.7% 最高
◆『真田丸』2016年(主人公:真田幸村) 視聴率16.6%
◆『麒麟がくる』2020年(主人公:明智光秀)視聴率14.4% 最低

別名「織豊時代」と呼ばれる、織田信長と豊臣秀吉の安土桃山時代。圧倒的に人気を誇るこの二人の時代は、つくられた大河ドラマの数も14作品と全時代の中でトップ。もちろん、信長や秀吉以外にも、伊達政宗や前田利家、真田幸村など、ドラマ性のある人物がたくさんいるのも、この時代設定が人気の理由です。
最低視聴率は、昨年放送された、明智光秀が主役の『麒麟がくる』の14.4%でしたが、近年の大河ドラマの中では健闘しています
安土桃山時代の全体の平均視聴率は23.9%と、戦国時代に引き続き、高い数字をたたき出しています。

一度は観ておきたい!最高視聴率が37.4%を記録した、伝説的大河ドラマ↓

江戸時代初期~後期を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率23.9%

江戸時代を舞台にした大河ドラマ

江戸時代初期から後期を舞台にした大河ドラマ12作品
◆『徳川家康』1983年(主人公:徳川家康) 視聴率31.2%
◆『葵 徳川三代』2000年(主人公:徳川家康・秀忠・家光) 視聴率18.5%
◆『春日局』1989年(主人公:春日局) 視聴率32.5% 最高
◆『春の坂道』1971年(主人公:柳生宗矩) 視聴率:21.7%
◆『琉球の風DRAGON SPIRIT』1993年(主人公:楊啓泰) 視聴率17.7%
◆『武蔵 MUSASHI』2003年(主人公:宮本武蔵) 視聴率16.7% 最低
◆『樅ノ木は残った』1970年(主人公:原田甲斐) 視聴率21.0%
◆『赤穂浪士』1964年(主人公:大石内蔵助) 視聴率31.9%
◆『峠の群像』1982年(主人公:大石内蔵助) 視聴率23.7%
◆『元禄繚乱』1999年(主人公:大石内蔵助) 視聴率20.2%
◆『元禄太平記』1975年(主人公:柳沢吉保) 視聴率:24.7%
◆『八代将軍吉宗』1995年(主人公:徳川吉宗) 視聴26.4%

江戸時代初期・前期を舞台とした大河ドラマは意外に多く、11作品。キラーコンテンツである『忠臣蔵』もこの時代カテゴリに入っていて、大石内蔵助が主人公の大河ドラマは3作品あります。
一方で、江戸時代中期~後期の作品はかなり少なく、なんと『八代将軍吉宗』のみの1作品。全体でまとめて、江戸時代初期から後期までの12作品を1つのカテゴリにしました。
全体の平均視聴率は23%以上と、悪くはない数字。徳川家康や春日局が主人公となった回の視聴率が高めで、平均を押し上げていることが分かります。
江戸時代の中期・後期はドラマ的に地味なイメージがありますが、『八大将軍吉宗』の西田敏行のフレッシュな姿は貴重です。

日本人に圧倒的人気の「忠臣蔵」。中村勘三郎が大石内蔵助を演じた大河ドラマ↓

江戸時代末期(幕末)を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率18.9%

江戸時代の末期を舞台にした大河ドラマ

幕末を舞台にした大河ドラマ12作品
◆『花の生涯』1963年(主人公:井伊直弼) 視聴率20.2%
◆『竜馬がゆく』1968年(主人公:坂本龍馬) 視聴率14.5%
◆『龍馬伝』2010年(主人公:坂本龍馬) 視聴率18.7%
◆『勝海舟』1974年(主人公:勝海舟) 視聴率24.2%
◆『花神』1977年(主人公:大村益次郎) 視聴率19.0%
◆『徳川慶喜』1998年(主人公:徳川慶喜) 視聴率21.1%
◆『新撰組!』2004年(主人公:近藤勇) 視聴率17.4%
◆『篤姫』2008年(主人公:天璋院) 視聴率24.5% 最高
◆『花燃ゆ』2015年(主人公:杉文) 視聴率12.0% 最低
◆『三姉妹』1967年(主人公:永井家三姉妹) 視聴率19.1%
◆『翔ぶが如く』 ※3 1990年(主人公:西郷隆盛・大久保利通) 視聴率23.2%
◆『西郷どん』2018年(主人公:西郷隆盛) 視聴率12.7%
※『翔ぶが如く』は、西郷隆盛と大久保利通の時代のため、例外的に幕末と明治時代の2つのカテゴリに入れて算出

幕末は視聴率がとれない、というのが定説のようで、カテゴリ全体でも平均が18%台と低めです。しかし幕末の動乱はドラマ性があるのか、作品数は12と、安土・桃山時代の次に多くの作品が制作されています。
中でも健闘しているのは、宮崎あおい主演の『篤姫』幕末もので久しぶりのヒット作となりました



明治時代を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率19.3%

明治時代を舞台にした大河ドラマ

明治時代を舞台にした大河ドラマ4作品
◆『翔ぶが如く』 ※3 1990年(主人公:西郷隆盛・大久保利通) 視聴率23.2% 最高
◆『獅子の時代』1980年(主人公:平沼銑次・苅谷嘉顕) 視聴率21.0%
◆『春の波濤』1985年(主人公:川上貞奴) 視聴率18.2%
◆『八重の桜』2013年(主人公:新島八重) 視聴率14.6% 最低
※『翔ぶが如く』は、西郷隆盛と大久保利通の時代のため、例外的に幕末と明治時代の2つのカテゴリに入れて算出

明治時代は4作品と少なめ。古い作品が多い中、記憶に新しいのは2013年の『八重の桜』。NHKは当初はまったく別の作品を計画していたものの、2011年3月11日の東日本大震災を受け、東北復興を支援すべきだと方針転換され、『八重の桜』が製作されました。
綾瀬はるかの魅力がつまった一作↓

昭和時代を舞台にした大河ドラマ…平均視聴率19.5%

昭和を舞台にした大河ドラマ3作品
◆『山河燃ゆ』1984年(主人公:天羽賢治・忠) 視聴率21.1%
◆『いのち』1986年(主人公:岩田未希) 視聴率29.3% 最高
◆『いだてん』2019年(主人公:)視聴率8.2% 最低

大正時代を舞台にした大河ドラマはないため、次は昭和に。2019年の『いだてん』が8.2%という歴代最低の視聴率でしたが、1980年代の2作品の視聴率がどちらも25%超えのため、平均は19.5%と高めです
『いだてん』の脚本はクドカンこと宮藤官九郎、大河ドラマで33年ぶりに近現代を舞台にした意欲作です↓

最新作『青天を衝け』は明治時代の経済をつくった渋沢栄一が主役

2021年大河ドラマ「青天を衝け」
2021年大河ドラマ「青天を衝け」の出演者たち(NHK画像より)。渋沢栄一には、大人気俳優の吉沢亮。

2021年に始まるNHK大河ドラマ第60作『青天を衝け』は、渋沢栄一が主人公です。時代背景としては、幕末から明治時代・昭和にかけてがメイン。
明治時代に多くの株式会社を作ったり、初めての銀行を作ったり、日本の経済に大きく貢献した人です。放送は2月14日にスタート!

しま子
しま子

渋沢栄一って何をした人なんだっけ?新しい一万円札の顔の人ってことしか知らない…

山さん
山さん

うーんと、えーっと… 渋沢栄一が知りたかったら、本を読むのが手っ取り早いですね!

本もたくさん売れています!さっと理解するのにおすすめ!



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