コロナ巣ごもりにおすすめ!家で徹夜したくなるおすすめ長編小説8冊

コロナウィルスの影響で、家で時間をもてあます人も多いのでは。外出できなくても楽しく暇つぶしができる、長編小説・おすすめの本を紹介します。

タイムリーな設定で思わず読み進めてしまう『ジェノサイド』高野和明

ジャンル:アクション・SF・ミステリー
著者:高野和明(たかの かずあき)
万人向け度 ★★★

主人公が、未知のウィルスから人類を救うためにアフリカへ向かうという、コロナウィルスが流行している今、導入部分がなんともタイムリーな話が「ジェノサイド暗殺部隊として任務を遂行するジョナサン・イエーガーと、薬を開発する古賀研人というダブル主人公で、話は並行して進んでいく。
古賀パートの、薬をつくる話が専門的すぎで、好きな人には好きだが、個人的にはやや難しくて脱落しそう。でも、アメリカの情報機関やホワイトハウスを巻き込んだ、映画的な大掛かりな舞台設定は読み応えがあり、文章も安定していて読みやすい。人類の進化のうんちく、戦争にいたる過程などは興味深く、著者の博識さ、勉強熱心さがうかがえる。家に巣ごもりしている今だからこそ、じっくりと堪能したい1冊。
上下巻の2冊。上巻はこちらから買えます↓

文章からただよう「音楽の才能」がにぞくっとする『蜜蜂と遠雷』恩田陸

ジャンル:ヒューマン(?)
著者:恩田 陸(おんだ・りく)
万人向け度 ★★★★

一つの音楽のコンクールだけを描いた、ピアニストたちの長編小説が「蜜蜂と遠雷」。クラシックを聴いたことがない人も、ピアノの知識があまりない人も楽しめる、驚きの小説。
メインキャラクターは、奇想天外な天才・風間塵と、王道的な天才・マサル、消えた天才・亜夜の3人のティーンエイジャー。音楽にまつわる人間ドラマや成長を楽しむストーリーだが、音楽シーンの描写には引き込まれ、思わずユーチューブで曲を聴きたくなる。
作者の恩田陸は、話は面白いもののなんとなく尻切れトンボのような終わり方をする小説が多い中で、この「蜜蜂と遠雷」はかなり万人ウケしそうな王道的ストーリー。消化不良感も少なく、爽やかに読めるのでおすすめ。第156回 直木賞受賞作↓

SFの新たな最高傑作との呼び声も高い超大作『新世界より』貴志祐介 

ジャンル:SF・アクション
著者:貴志 祐介(きし ゆうすけ)
万人向け度 ★★

黒い家」「クリムゾンの迷宮」などで知られる、貴志祐介の長編小説が「新世界より」。文庫で上・中・下と3冊に分かれていて、そのボリュームにひるむ人も多いが、時間がたくさんある今だからこそおすすめ。
アマゾンのレビューではかなり高評価で、著者の最高傑作であるとの呼び声も高いが、正直、上巻だけ見るとそこまで引き込まれない。虫などの生き物への描写も多く、無駄にエピソードが長い部分もあって、読書をし慣れていない人にはつらい。ただ、中巻に大きな事件が起こり、そこからはページをめくる手が止まらなくなって徹夜必至。
読み終わった感想は、確かに近年読んだ本においては最高傑作であり、胸が震える。読書好きの友人には自信を持っておすすめできるレベル。
まずは上巻から読んでみて↓


個人的には、こっちの方が読みやすい徹夜本↓
クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
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アンチエイジングに走る現代人にリアルな「不老不死」を見せる『百年法』山田宗樹

ジャンル:SF・アクション
著者:山田 宗樹(やまだ むねき)
万人向け度 ★★★★

映画化もされた有名な「嫌われ松子の一生」と同じ作者だが、テイストが全然違うSF大作が「百年法」。
不老化処置を受けた国民は、百年で死ななければならない、という「百年法」が成立した日本が舞台で、一見、荒唐無稽な安っぽい設定には不安を覚えるが、筆力も十分で細部の描写も細かく「年をとらないとはどういうことか」をリアルに感じることができる恐ろしい作品。
年をとる人間ととらない人間の対比、年をとること、死ぬことの必然性など、とにかく深く考えさせられて満足できる本。
読書初心者でも比較的入りやすく、エンターテインメント性も十分で、一気読み間違いなし。

本格的なミステリの金字塔ともいえる名作『十角館の殺人』綾辻行人

ジャンル:ミステリー
著者:綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
万人向け度 ★★★

本格ミステリって、え、あれでしょ?やたらトリックが大げさで、登場人物にリアリティとかなくて、無駄に人が死んじゃうやつでしょ?」と思っている人に。この本「十角館の殺人」は、まさしくそれである。
この小説は、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」をモチーフに、陸の孤島で大学生が次々と死んでいく話である。宮部みゆきのような社会的背景も現代の問題も描かれず、キャラの深さもないけれど、でもすごく面白い。
この本が多くのミステリファンで語り継がれている理由は、「全てのトリックと謎がたった一文で分かる」という点。作者はこのたった一文を書きたいがためにこの小説を仕上げたのではないかと思うほど、その一文はとても鮮やかで、読者を「やられた!」とうならせるはず。

教育とは?登場人物の信念と志に胸が熱くなる『みかづき』森絵都

ジャンル:ヒューマンドラマ(?)
著者:森 絵都(もり えと)
万人向け度 ★★

ふとしたきっかけで学習塾を開くことになった大島吾郎。彼の親子三代にわたる塾と教育をめぐるストーリーで、中央公論文芸賞を受賞した良質な長編小説が「みかづき」だ。
一つ注意したいのは、森絵都という作者の本は、基本的に読書が好きな人のための小説。なので、普段あまり本を読まない人が「本屋大賞2位」という文句につられて買うと、「なんか盛り上がらないなあ…」と思ってしまう。
話の流れはけっこう地味で、塾や教育のあり方において親子がそれぞれの信念の違いでぶつかり合う、ホームドラマ的ストーリー。でも、教育関係の仕事についている人や、子供を持つ親にとって、思わず「本当の教育とは」と熱く考えずにはいられない、志を高くしてくれる本

食堂を舞台に、殺し屋とのやりとりが手に汗握る『ダイナー』

ジャンル:アクション・ハードボイルド
著者:平山 夢明(ひらやま ゆめあき)
万人向け度 ★★★

蜷川実花×藤原竜也で2019年に『Diner ダイナー』というタイトルで映画化されたことでも有名。
主人公のカナコは、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になる。凶悪な客ばかりを相手にカナコは生き延びることができるのか、殺し屋との駆け引きが手に汗握る小説原作が「ダイナー」。
店のシェフでもう一人の主人公である「ボンベロ」、他、店に出入りする殺し屋たちのキャラクターなど、ちょっと暗くて救えない顛末もあるが、スピード感があって面白い。ただ、拷問などの残虐やグロテスクなシーンが苦手な人にはおすすめしない。

エンターテイメント性バツグン!分かりやすい直球の爽快感『下町ロケット』池井戸潤

ジャンル:ドラマ
著者:池井戸 潤(いけいど じゅん)
万人向け度 ★★★★★

「半沢直樹」などで有名な池井戸潤が、第145回直木賞を受賞した作品が「下町ロケット」。阿部寛でドラマ化もされた、万人ウケする勧善懲悪的な王道ストーリー。
町工場の佃製作所の主人公・耕平は理不尽な特許侵害で訴えられ、会社は窮地に陥る。大企業を敵にして中小企業が立ち向かい、最後は勝利するというおなじみの爽快感のあるストーリー。
池井戸潤の魅力は、特許の話など素人の読者にとって分かりにくい専門的知識も、興味が持てるように読者目線で説明してくれる点。堅苦しすぎず、読み応えがあって感動もできる、読者初心者も読書好きも満足させてくれる一冊。

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